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税理士が解説 『確定申告書類の作り方』

一人親方が確定申告書を作る際の注意点を、税理士が解説します。

一人親方として事業を営む場合、確定申告書の作成は重要な年次業務の一つです。
正確な申告を行うことで、税務上のトラブルを避けることができ、事業運営を円滑に進めることができます。

今回は、確定申告書の作り方に関する注意点を、税理士の視点から解説していきます。

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目次

  1. 必要書類の準備
  2. 発生主義会計
  3. 売掛金と買掛金の計上
  4. 棚卸と棚卸資産の計上
  5. 減価償却
  6. 青色申告特別控除65万円を受けるために
  7. 所得税と消費税の申告・納付期限
  8. 確定申告書の作成
  9. まとめ

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1. 必要書類の準備

確定申告をスムーズに行うためには、以下の書類を準備しましょう。

  • 収入に関する資料(請求書、領収書など)
  • 経費に関する資料(領収書、レシートなど)
  • 帳簿(現金出納帳、売掛金・買掛金台帳、経費帳など)
  • 各種控除に関する証明書(医療費控除、寄付金控除など)

2. 発生主義会計

会計については、権利や義務が発生したときに収益や費用を認識する発生主義という考え方を基本とします(発生主義会計)。

発生主義会計の下では、収益は特に「実現主義」に基づいて計上されます。実現主義とは、売掛金の請求権が確定した時点で売上を計上する方法です。具体的には、商品やサービスを提供し、その対価を請求する権利が確定した時点で収益を認識します。

一方、費用は「費用収益対応の原則」に基づいて計上されます。これは、収益を生み出すために発生した費用を、その収益が計上される期間に対応させて計上することを意味します。例えば、材料を仕入れた費用は、その材料が売上として計上される時点で費用として認識されます。

3. 売掛金と買掛金の計上

発生主義会計の下では、売掛金と買掛金を正確に計上することが重要です。

  • 売掛金:商品やサービスを提供したが、まだ代金が支払われていない場合、その未収の代金を売掛金として計上します。これは収益として認識されます。
  • 買掛金:商品やサービスを購入したが、まだ代金を支払っていない場合、その未払の代金を買掛金として計上します。これは費用として認識されます。

売掛金と買掛金の正確な管理は、事業のキャッシュフローを把握し、財務状況を適切に反映するために不可欠です。

4. 棚卸と棚卸資産の計上

事業を行う上で在庫管理は重要です。年度末には棚卸を行い、棚卸資産を正確に計上する必要があります。

  • 棚卸:期末に在庫を数え、その数量と金額を把握します。
  • 棚卸資産:棚卸で把握した在庫の金額を棚卸資産として計上します。この棚卸資産は、次年度の期首在庫として繰り越され、費用の計算に影響を与えます。
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5. 減価償却

事業用の設備や機械などの固定資産は、購入した年度に全額を経費として計上することはできません。
これらの資産は耐用年数にわたって少しずつ経費化する必要があります。これを「減価償却」と言います。

減価償却の計算には、以下の手順が必要です。

  1. 固定資産の取得価額を確認する。
  2. 固定資産の耐用年数を調べる(国税庁の耐用年数表を参照)。
  3. 減価償却費を計算する(定額法や定率法を使用)。

減価償却を適切に行うことで、正確な所得を計算することができます。

6. 青色申告特別控除65万円を受けるために

青色申告特別控除65万円を受けるためには、複式簿記による帳簿の整備と正確な記帳が必要です。
これには、各種会計ソフトを利用することが強く推奨されます。会計ソフトを使用することで、日々の取引を正確に記録し、帳簿を整備することが容易になります。

さらに、65万円の特別控除を受けるためには、電子申告(e-Tax)を利用するなどの必要があります。電子申告は、申告書の提出が簡便であり、税務署への提出期限を守るのにも役立ちます。

7. 所得税と消費税の申告・納付期限

所得税
一人親方として得た所得に対する所得税は、年間の総収入から必要経費等を差し引き、さらに各種控除額を差し引いた課税所得に対して課税されます。所得税の申告期限は通常、翌年の3月15日です。この期限を過ぎると、延滞税や加算税が課される可能性があるため、早めに準備を進めることが大切です。

消費税
消費税は、基本的には課税売上高が1,000万円を超えた場合に、その2年後に納税義務が生じます。インボイスの登録をした場合は、登録した日から納税義務が生じます。消費税の申告期限は、通常、翌年の3月31日です。なお、消費税の納付も同時に行う必要があります。

さらに、消費税申告をする必要がある場合は、「簡易課税制度選択届出書」の提出を検討することが重要です。簡易課税制度を利用することで、仕入税額控除の計算が簡略化され、事務負担が軽減されます。ただし、この制度を選択できるのか、選択できる場合は選択するのかは、事業の内容や規模、状況によって異なるため、税理士に相談することをお勧めします。

8. 確定申告書の作成

確定申告書は国税庁のe-Taxを利用して作成することが推奨されます。以下の手順で進めましょう。

  1. e-Taxのサイトにアクセスし、必要な情報を入力します。
  2. 収入と経費の項目を入力し、所得を計算します。
  3. 各種控除(基礎控除、配偶者控除、扶養控除など)を入力します。
  4. 所得税の計算を行い、納税額を確認します。
  5. 必要な書類を添付し、電子申告を行います。

9. まとめ

一人親方としての確定申告は、正確な記帳と計算が求められます。
発生主義や実現主義、減価償却、売掛金・買掛金の計上、棚卸資産の計上の知識を活用し、適切な申告を行うことが重要です。また、青色申告特別控除65万円を受けるために、会計ソフトを利用し、電子申告を行うことが推奨されます。

所得税と消費税の申告・納付期限を守ることで、税務上のリスクを回避できます。消費税申告が必要な場合は、簡易課税制度の利用を検討し、事務負担を軽減することも考慮しましょう。
税理士として、皆様が安心して事業を続けられるよう、適切なサポートを提供いたします。

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